初めての海外一人旅にカンボジアへ
海外一人旅。今では交通やSNS等のネットの発達により一昔前に比べるとその敷居はだいぶ低くなりました。
それでも、「飛行機の乗り継ぎが心配…」、「英語が出来ない…」、「一人じゃ心細い…」と思って躊躇している方はまだまだ多いと思います。
実際僕もそうでした。英語も全くできません。しかし2010年に初めての海外旅行で中国に行った際、航空券、宿の手配、現地でのいろんな交渉など全て友人に任せっきりだったので、
「次は一人で海外に行ってみよう!人生で一度は冒険してみよう!」と、2011年1月に個人でのバックパッカーの旅を決行しました。
行き先はタイあたりが手軽そうだし、アユタヤやスコータイといった遺跡巡りが楽しそうだと候補に上がりましたが、しかしどうせ遺跡を見に行くのなら、もっとスケールのでっかいアンコール・ワットを見たい!
こうして海外初一人旅の行き先はカンボジア・シェムリアップに決まりました。三泊五日のバックパッカー一人旅です。
ビザ、乗り継ぎについて
2018年1月現在、日本から首都プノンペンへの直行便はありますが、アンコール・ワットのある都市、シェムリアップへの直行便はありません。よってトランジット(乗り継ぎ)が必要になります。
僕の例を挙げると、8日13時30分の便で関空から出発。ソウルのインチョン空港での乗り継ぎも不安だったけど案内がしっかりしてるのでスムーズに行えました。
そして17時15分にインチョンを出発し、現地時間の21時にシェムリアップ空港に到着しました。(ちなみにカンボジアの時差は日本の2時間遅れ。)
到着後、まずは空港内でビザを取得する必要があります。日本で事前に取得出来ますが現地での取得が一番簡単で安いです。ビザ発行カウンターでは行列が出来るので、飛行機を降りたらダッシュで向かう事をオススメします。
チェンラゲストハウス(現在閉館)
三日間宿泊したのは、タケオゲストハウスと並び日本人宿として有名なチェンラゲストハウス。
エアコン、ホットシャワー付きで一泊15ドル。日本からの予約も簡単だし、空港と宿間の無料送迎でとても良心的な宿でした。
残念ながら現在は閉館してしまったようです。
- ツインベッド
- テレビと冷蔵庫
- 隣にはコンビニ
- 受付
- 廊下
- 食堂
- グリーンカレー
- ガイドさんとトゥクトゥク
- エレガンスキティちゃん号(勝手に命名)
“天空の楽園” アンコール・ワット
翌日の早朝5時、暗闇の中をトゥクトゥクに揺られアンコール・ワットに向かいます。
その時眺めた満天の星空は人生で一番綺麗でした。三脚持っていけば良かったと今でも後悔してます。
途中、入場パス売り場に寄って40ドルの3日間パスを購入。このパスはアンコール・ワットはもちろん、その他周辺の遺跡に入る時にも必要になる大事なパスです。その場で写真を撮影してもらい、すぐに作ってもらえます。
アンコール・ワットからの朝日を堪能した後は、アンコール・トムへ向かいます。アンコール・ワットは午前中は逆光になるので、しっかり観賞するのは午後からがベターなのです。
こちらが午後に訪れたアンコール・ワット。修復作業中だったのは少し残念。
- 朝日を待ちます
- シルエットもいいね
- 朝日
- 池の蓮の花
- 食堂のお姉さん
- チキンサンドとマンゴージュース
- 子どもたち
- 午後に再び訪れました
- 僕
- 壁面のレリーフ
- お坊さん
- 急すぎる階段。めっちゃ恐い
- 野生の猿
- 可愛い
アンコール・トムの遺跡群
アンコール・トム(大きな町)は王と神の都市とも呼ばれる都城です。とても広大で、王宮跡やバイヨン寺院等多くの見どころがあります。
- 南大門
- まずはバイヨン寺院へ
- 観音菩薩の四面塔
- いい笑顔
- 壁面のレリーフ
- バプーオンへの空中参道
- 「隠し子」の意味を持つ寺院 バプーオン
- 王宮内の寺院 ピミアナカス
- 象のテラス
- ライ王のテラス
ここアンコール・トムは2時間歩き周りました。中でもバイヨン寺院は圧巻でした。
“360度のパノラマ” プノン・バケン
プノン・バケン山はアンコール三聖山の一つに数えられる山で、その上には丘状ピラミッド式の遺跡、プノン・バケンがあります。
アンコール地域の景色を360度のパノラマで眺めることができ、ここから朝日や夕日を眺めようと多くの観光客が集まります。
- プノン・バケンを登る
- 遠くまで見渡せます
- この日は雲が多く残念
- 夕食は焼肉
こうしてカンボジア二日目終了。
天空の城ラピュタのモデル!? “東のアンコール・ワット” ベンメリア
宮崎駿監督の作品「天空の城ラピュタ」のモデルの一つとも言われているジャングル内の巨大寺院遺跡、ベンメリア。一番楽しみにしていた遺跡です。
郊外の遺跡なのでシェムリアップからトゥクトゥクで2時間近くかかります。これが結構の長時間。また舗装されてない道を多く砂埃が目に入って結構大変です。
タクシー、またはツアーに参加してバスを使えばもっと短時間で楽に行くことが出来ますが、僕は断然トゥクトゥクをオススメします。
通学途中や学校で遊んでる子ども達、そこらじゅうにいる野鳥や野犬、行き交う人や牛、何度も目撃した結婚式等、現地の人達の暮らしを肌で実感出来ます。中には手を降ってくれたり、追いかけてきてくれる子ども達もいて、そんなちょっとした交流がとても癒やされました。
- 積みすぎ!
- にわとりみたいな鳥が多い
- この日だけで6回ぐらい見た結婚式
- わー!!!
- バイバイ!
- 五つ頭のナーガ(蛇神)
- たまらん
- 根がすごい
- ガイドさん
- 遺跡で遊ぶ子ども
- カモ
- 昼食
- 揚げバナナ美味しかった
崩壊した瓦礫の上や、屋根の上、光の届かない回廊を歩いたりと、まさに古代遺跡を冒険しているようでした。廃墟好き、ラピュタ好きにはたまらない遺跡です。
ロリュオス遺跡群 ロレイ
現在のアンコール地域に移るまではロリュオスに王都が築かれてきました。
まずはそのロリュオス遺跡群にの一つ、ロレイへ。ここロレイ寺院はその王様や祖先を祀っている寺院です。
- ガソリン補給
- お昼寝中
- デバター
- 脇にある僧房
ロリュオス遺跡群 プリア・コー
プリア・コーは祀られている聖牛ナンディンに由来して「聖なる牛」という意味で、アンコール遺跡中で最古の寺院です。
ロリュオス遺跡群 バコン
バコンはロリュオス遺跡群で最も規模の大きい遺跡。王様がヒンドゥー教の神々に奉献した寺院です。
“東南アジア最大の湖” トンレサップ湖
シェムリアップから約30分、カンボジアの中央に位置するトンレサップ湖へ。
この湖とにかくでかい!ほとんど海!この時は乾季だったけど、雨期になると面積は今の約3倍に膨れ上がり、琵琶湖の約10倍の大きさになるんだとか。そのため岸辺に並ぶ民家はその度水没するらしい。
そんなトンレサップ湖でのサンセットクルーズへ出発!
- タライは湖上での移動手段
- わんこ
- 学校
- 途中、養魚場で休憩
- ワニ
- 茹でた小エビ。やみつきになる美味さ
- 僕
- この日も夕日はイマイチ
- 兄弟
- 日本人経営のモロッポーカフェ
- 夕食
湖上には多くの家が浮かんでいる。家だけじゃなく、学校、病院、教会、商店なんかも浮かんでいてそこに人々の暮らしが形成されてました。多くの人がここで漁業を行い生計を立てているんだとか。話によると水上生活者のほとんどがベトナム人だそうです。
サンセットはイマイチだったけどとても貴重な体験が出来ました。
この日の夕食は日本人経営のモロッポーカフェへ。なんとここの3階にはサウナと露天風呂があるのだ!もちろんそれが目的でした。
炒飯とマンゴーシェイクの夕食を取ったあと、早速露天風呂に向かう。お湯がたまってなかったのでその間に独特な香草の香りでつつまれたサウナで汗を流しました。
そして壁に大きなヤモリやナメクジが何匹も這いつくばってる露天風呂で遺跡巡りの疲れを落としました。楽しみにしていた星は一つも見えなかったのが残念…
こうしてカンボジア三日目終了。
“川の源流” クバール・スピアン
クーレン山の北東にあり、「川の源流」という意味を持つクバール・スピアンへ。その名の通りシェムリアップ川の源流にあたる場所です。
- リーリーという食堂で朝食
- 地元民でいっぱい
- 牛肉入りの麺
- カメラの事を聞いてきた青年
- 朝食後、トゥクトゥクで郊外へ
- トゥクトゥクで約2時間で到着
- ここから40分の登山
川底や川岸の至る所に、神々の彫刻群を観賞することが出来ました。マイナスイオンたっぷりの神秘的な遺跡でした。
“女の砦” バンテアイ・スレイ
「女の砦」の意味を持つ郊外の寺院、バンテアイ・スレイです。規模の小さい遺跡で、とてものどかな場所です。
- マンゴー売りのおじさん。正直まずかった…
- 売り子
- 日本語達者な商売上手娘
外壁は赤色砂岩とラテライト、屋根の一部にはレンガも使用され、またそこに施された彫刻はとても細かく洗練されていました。女の砦という名がふさわしい、とても綺麗な遺跡でした。
最後の写真の女の子の店でTシャツを買うことになったんだけど、達者な日本語を駆使しなんとかシルク布も買わそうとしてくる…。
いらんもんはいらんっ!Tシャツの分の代金だけを渡そうとすると「おぉ~お釣りがないよ~」と…嘘付け!(笑)
「じゃあTシャツも買わね」と店を出るそぶりを見せると必死で引き止めてくる。これの繰り返し。だんだんイライラしてきた、何度言われようが、絶対に買わん!!!!
気づいたら買ってました…負けた…彼女のガッツに負けた…完敗だ…でも不思議と心地良い。いい勝負だったぜ!
地雷博物館
カンボジアは長い年月内戦が続いて、今でもその傷跡がたくさん残っています。特に地雷の被害はとても深刻で、今でも多くの人が地雷に苦しめられているのです。
ここはより多くの人に地雷除去問題について知ってもらう為に、アキー・ラー氏が政府の援助なしに造った地雷博物館です。地雷やその他の兵器、多くの資料がたくさん展示されていました。
カンボジアに行く際、ある程度カンボジアの内戦について勉強しましたが、ポルポト政権下のクメールルージュによる大虐殺など、とても恐ろしく悲しいものでした。興味のある人は一度ネットなんかで調べてみてください。
“樹木に侵食された寺院遺跡” タ・プローム
タ・プロームは「梵天の古老」を意味する寺院です。
広く迷路の様に入り組んだこの遺跡は、巨木に浸食され破壊が進んでいて、大自然の脅威を身にしみて感じる事が出来ます。
- 昼食の野菜たっぷり即席麺
この大自然の驚異、凄過ぎる…。ベンメリアもよかったけど、この旅で一番凄いと感じたのはここタ・プローム遺跡です。本当に訪れてよかった。
“クメール文化の華” アプサラダンスショー
旅の最後は、アプサラダンス観賞+バイキングディナーで締めくくります。
「アプサラの踊り」という宮廷舞踊で、アプサラは「天女・天使」とみなされ、踊りは神への祈りとして捧げられるものだそうです。
- オールドマーケットで買い物後、休憩。疲れた…
- サトウキビの搾りたてジュース
- 一人は結構寂しい…
- ショーが始まりました
- 綺麗だ
- 見えねぇだろ、どけやボケ!
ショー終了後宿へ戻り、バイクで空港まで送迎してもらいました。こうして三泊五日にわたる海外初一人旅は幕を閉じたのでした。
しかし帰りの飛行機の中である別の幕が開いた…
一週間に及ぶ下痢との戦いの幕が…
最後に
この旅でかかった費用は航空券も含めて三泊五日で10万ちょいです。僕は一泊15ドルの部屋に泊まったけど安けりゃ3ドルの部屋もあるし、遺跡巡りだって宿で仲間を集って行けばかなり安く済ませられると思います。
言葉はクメール語の
・「チョリムアップスオ」「ソースデイ」=こんにちは
・「チョリムアップリア」「リーハイ」=さようなら
・「オークン」=ありがとう
・「チャガン」=美味しい
ぐらいの簡単な言葉を事前に覚えて行ったけど、観光客相手に商売をしている人達に関してはまず英語がペラペラだし、日本語が達者な人達も多いのでほとんど使いませんでした。「オークン」はよく使ったかな。
シェムリアップは完全に観光地化されているので英語が出来なくてもあまり問題ありませんでした。夜道を一人で歩くのさえ避ければ、治安もそんなに悪くないと思います。僕は一度も危険な場面に遭遇しませんでした。
韓国や中国だと近すぎるし異国情緒もあまりない、かといってアメリカやヨーロッパはちょっと遠いし不安…。
カンボジアは圧倒的スケールの遺跡群、そしてそこに暮らす魅力的な人々、旅費も高すぎず距離も遠すぎず、初めての海外一人旅の場所としてもとてもお手頃じゃないでしょうか。強くオススメします。
この記事が、「人生一度は海外一人旅してみたいなぁ…」とくすぶってる方の背中を押すことが出来れば嬉しいです。