新喜皮革を後にし、バスは次のタンナーへ向かいます。
バスを降りて工場までの細い路地を歩く途中に見つけた、『ひかく』と書かれたマンホール。さすが皮革の街ですね。
オールマイティさんへ
15時20分 姫路市高木地区にある二軒目のタンナー、『オールマイティ』さんへやって来ました。
一軒目の新喜皮革さんと比べると小規模なタンナーです。従業員は3人で、今回は代表と息子さんのお二人が出迎えてくれました。
タンナーとは継続的に50枚、100枚という多くの革を鞣してなんぼという商売の中、オールマイティさんは「たった1枚からでも革を作ります!」というスタンスで営業されてます。
これは数あるタンナーの中でも唯一と言えるほど珍しいことなんだそうです。
デザイナーやクリエイター等、とことん革にこだわりたいという層にうってつけのタンナーですね。
塩漬けされた原皮。これは豚だったかな?
鞣しが終わった革も積まれています。
オールマイティさんははキップ(生後6ヶ月〜2年未満の青年期)、国産原皮を得意としてるんだとか。
ドラムの中も見せてもらいました。
代表によるドラムを使った染色の様子を見せてもらいました。
革を乾燥させる場所です。
スプレーで染色を行う場所ですね。
こちらで鞣されたいろんな革を実際に見せてもらいました。
独自ブランドの『姫山水』、『渋山水』と呼ばれる革なんかも実際に触らせてもらえます。
こちらはなんと猪の革です。これは使ってみたい。
鹿や猪の革は手間がかかる割にはあまり需要がないそうです。やっぱり野生動物なので体に傷がいっぱい付いてたりして品質的に安定しないからですね。仕留める時にだって散弾銃を使うわけだし。
しかしあえてこうやって命を有効に活かす事で獣害への取り組みを行っています。これはすごく良い取り組みだと思いました。
これはなんだっけかな…
他にも熊やダチョウ等、様々な革を実際に触ることが出来ました。
グレージングの様子も見せてもらいました。
レザーを身近に感じてもらうきっかけとして、こういった革製の折り紙『折り姫』の販売も行っています。とても薄くて本当に紙のようです。すごい技術だなぁ。
実際に折り姫で作られた物です。こういった皮革産業を盛り上げていこうという取り組みは面白いですね。ちょっとお値段が高いのは気になりますが。
僕も1枚頂いたので、また鶴でも作ってアップしたいと思います。
こうして1時間ほど見学し今回のツアーは終了です。
予定では18時頃に姫路駅で解散でしたが、比較的道路が空いていた事もあり、17時頃に解散となりました。
せっかく姫路まで来たのに真っ直ぐ帰るのももったいないので、姫路駅まで歩いてみます。
姫路城へ
以前訪れたのが平成の大修理が始まる前の2007年10月…。なんと11年ぶりに訪れました。
丁度プロジェクションマッピングのイベントが開催されていました。
これは白鷺かな。
雅やなぁ。
紅葉はまだまだな様子。
ライトアップも良かったけどやっぱり昼間に訪れたいですね。また行こう。
こうして姫路城を後にし帰路につくことに。
その後、姫路駅からすぐの場所に東急ハンズ姫路店があったので、早速レザークラフト用品を買いに行きました。
姫路といえばこの日一日体感したように皮革の本場、充実の品揃えに決まってます。しかしどこにもレザークラフト売り場が見当たりません…。
定員に「この店にレザークラフト売り場はありますか?」と聞いてみると、「あるにはある」とのこと。なんか嫌な予感が。
レザークラフト売り場まで案内されると、なんと極狭スペースに申し訳程度の用品が並べられているのみでした。もはや売り場はないに等しいです。
東急ハンズは大阪の梅田店、心斎橋店、あべのキューズモール店に行ったことがありますが、どこのレザークラフト売り場も結構充実しているので、めちゃくちゃ期待ハズレもいいとこでしたね…。
いや〜これはもったいない。めちゃくちゃもったいないよ!
最後に
初めてのタンナー工場見学でしたが、リアルな動物の原皮やピット槽での鞣し、グレージング作業等の様々な行程、そしてそこで働き、革に情熱をかける人々を見ることが出来てとても良い勉強になりました。
プロとしてレザークラフトで生計を立てている人はもちろん、僕のようにあくまで趣味としてレザークラフトを楽しんでいる人、ただ革製品が好きな人でも十分楽しめると思います。
本日は革日和♪さんでは毎年春と秋の2回、このツアーを開催されていますが、毎回キャンセル待ちが発生する人気ツアーです。参加してみたいと思った方は、本日は革日和♪さんのメルマガ登録をオススメします。
今回のタンナー工場見学の中で見たこと聞いたことを、今後のレザークラフトに活かせればいいなと思います。
