中辺路の中継地地点、近露
近露までやって来ました。
ここ近露は熊野への中継地点。熊野古道を歩く参詣者達の休憩地、宿場町として栄えた町です。1泊2日で滝尻から熊野本宮大社を目指す場合、大体ここで宿泊するのが一般的です。
橋の上より。
町には民宿や熊野古道なかへち美術館、小学校や中学校なんかもあります。ちゃんとした町です。
14時18分 近露王子
茶屋に足湯。
本来この町にあるコープで夕食と翌日の朝食を買おうと思ってたんですが、発見できないまま町を出そうになりました。ここで戻って探すべきだったんですがもう無駄に歩きたくなかったので、また次に手に入れる機会はあるだろうと先に進むことにしました。思えばこれが失敗だった…
更に歩く
乙女の横顔
レトロな校舎の小学校。こんな芝生のグランド良いなぁ。
ここで危うく足をつりかけました。だいぶ足に疲れがきてますね。ここからしばらく長い登り坂が続きます。
遠くに横顔
15時 比曽原王子
自撮り
15時16分 継桜王子
すぐ近くにあるとがの木茶屋にて水をいただきながらゆっくり座って休むことに。
おばちゃんにこの先で食料を手に入れる場所はあるかと聞いたところ、う〜んといった感じ。あと30分待ってくれたら茶屋を閉めるのでそのあと車で近露のコープまで連れて行ってあげようかと提案してもらったんですが、出来るだけ先に進みたかったので丁寧にお断りしました。今思えばご厚意に甘えるべきだったかも…
お菓子は結構あるのでそれを夕食にすると伝えると、なんとチョコレートのダースを一箱頂きました。本当にありがたく頂戴しました。
「ボクのオシッコ冷しコーヒーダヨ」って(笑)
ここらへんには自販機が全くなくせっかくなんでコーラを頂きました。
あばあちゃんに野宿するなら夜はとても冷えるので気をつけなさいと声をかけてもらったりしてなんだかホッコリ。
ゴール地点である熊野本宮大社の手前にある最後の道標の数字が「75」なので大体ここが中間地点。あと半分だ!
16時5分 小広王子
ここらへんでは野生の猿をたくさん見かけました。
熊瀬川王子手前の休憩所。テントを貼るにはもってこいの場所でしたが時間はまだ16時。もう少し先へ進むことに。
30分かけて峠を越えてやって来たんですが、岩神王子への道は平成23年の台風12号の影響で今も通行止めになっていました。
地図に迂回路の表記はあったものの、完全に通行止めになってるとは思ってなかったので大きな誤算です。地図で確認すると湯川王子近くの休憩所は迂回路からだと行けないっぽいし、この先テントを貼るのにうってつけの場所がないかもしれないので、ここは確実性をとってまた30分かけて先ほどの熊瀬川王子近くの休憩所に戻ることにしました。
戻る途中の山道でついに左のふくらはぎをつってしまい激痛に襲われました。なんとか痛みがおさまり立ち上がろうとすると今度は右太ももを危うくつりそうになり一旦ストップ。
間を置いて再度立ち上がろうとするとまたしても左のふくらはぎをつってしまい、大の大人が雄叫びを上げる悶絶級の激痛!(泣)。アカン、そろそろ限界や…。暮れゆく山中でしばらく立てない状態が続きましたがなんとか立ち上がりゆっくりと着実に進みました。
本日の宿
17時40分 なんとか戻ることが出来ました。この日はここでテントを張って野宿です。すぐ近くに公衆トイレがあるのでなにかと便利。
夕食は持参したお菓子のタルトと先ほど茶屋のおばちゃんに頂いたチョコレートのダースを半ダース。自業自得ですが水が足りない…。翌日の為になんとかボトルに二口三口程度残しておきます。
この日はもうすることがないので歯を磨いて早々に就寝することに。夜中に目が覚めた時ふとテントから顔を出して上を見るとそこには満天の星空が見えました。この日はほぼ新月で深い山の中ということもあり絶好の星撮りチャンスと三脚とレリーズも持参していたんですが疲れには勝てませんでした…。
2日目スタート!
翌日6時に起床。残りのダースと最後の水を飲み干し、6時37分に出発!なんとか水を手に入れたい!
前日はスルーした熊瀬川王子。
太陽が眩しいぜ!待ってろよつぼ湯!
峠を越えると静岡県から来たというSさんに遭遇。お喋りしながら迂回路へ向かいます。
迂回路が見つからず…そして…
このまま国道まで出たんですが迂回路の案内板が全く見当たりません。
「本当にこっちで合ってるのか?」「あまりにも案内がなさすぎる」と二人してずっと不安に感じつつも地図を見ながら方向的には間違ってないということでさらに国道を東へ進みます。
Sさんとは最近登った山やこれから登ろうと思ってる山が同じだったりして山トークも弾みました。
1時間半近く歩いてこれは流石におかしいと何度も確認した地図をさらに確認すると衝撃的な事実が…。なんとそもそも国道に出た時点で間違ってたんです。これには二人共大ショック。なんでもっと早く気付けなかったんだろう…
とりあえず一旦休憩。Sさんは僕が水を持ってないのを知るとお茶を少し恵んでくれました。本当にありがたいです。
Sさんと2人で初めてのヒッチハイクを試みてみるもそう簡単には行きません。泣く泣く来た道を戻るしかないんですが、往路は緩やかな下り坂が多かったので復路はその逆で緩やかな登り坂という地獄…。重たいザックを背負った僕はSさんの歩くスピードについていけず少しずつ離されていったので、僕に構わず先に行ってくださいと別れました。
何度も立ち止まりながら国道に出る前の道まで戻ってきたのは9時40分。約3時間もの時間と体力を無駄に消耗してしまいました。これは精神的にも肉体的にもかなりキツかったです。
しかし不思議なのは迂回路への入口は一体どこにあったのか? なんでちゃんと案内板を用意してないんだよ!コノヤロウ!
…普通にありました。めっちゃわかりやすいです。ごめんなさいm(_ _)m
どうやらSさんと会話してて見落としてしまったようです。Sさんと出会ってなかったら見落とさなかったかもしれませんし、逆にSさんも僕に出会ってなかったら見落とさなかったと思います。どちらが悪いとかはありません。山トークできて楽しかったです。
とにかく遅れを挽回するために迂回路を進むことにします。しかしここで頭によぎるのは国道に出てすぐの所にあったバス停の存在。前日までは考えもしなかった途中リタイアという選択。ここを逃したら途中離脱出来る場所はないかもしれません。迂回路を1時間半かけて歩いた先にある湯川王子で水が手に入る保証もありません。
葛藤を続けながらも30分ほど迂回路を登ったんですが心より先に体に来ました。数歩歩いては膝に手をつき立ち止まってしまいます。ザックが重すぎてもう足が上がりません。
ギブアップ!!!
帰ります…
再び国道沿いのバス停に戻ってこれたのが10時50分。次にバスが来るのは13時44分。約3時間後…
バス停のすぐ横に奥が通行止めになっていて人や車が一切来ない広いスペースがあったのでここでひたすらバスを待ちました。
最後に
というわけで一泊二日の熊野古道中辺路トレッキングは2日目に途中リタイアというあっけない幕引きとなりました。
リタイアの要因をあげるならば、今まで背負ったことのないような重いザックを背負い、今まで歩いたことないような長時間に及ぶトレッキング。完全に自分のキャパを超えていました。
“歩き旅”みたいなのを想像していましたがガチ登山です。それを延々と繰り返します。富士登山よりしんどかったです。
そして途中の近露で充分な食料と水分を補充するのを怠ったことです。また情報収集不足、地図の確認不足と反省する点がいっぱいです。…汗
これから一泊二日の中辺路トレッキングをしようと考えている人は、ぜひともこの記事を反面教師として下さい。
さて、バスに乗って熊野本宮大社や湯の峰温泉へ向かうことも出来たのになぜそうしなかったのか…
そう!秋ごろに再び滝尻から一泊二日かけて熊野本宮大社、湯の峰温泉のつぼ湯を目指します! 次は車とバスを上手く利用して車中泊をしようと考えています。このままでは終れない!
秋のリベンジ編につづく?
